EmoFreak’s blog

限界オタクが韓国ミュージカルを観て感じたことを忘れないように書き留めていくブログです。

【観劇覚書】18.12.06 19:30 프랑켄슈타인【전동석×한지상ペアマク】

メリークリスマス!!いつのまにやらあと一週間で今年終わる!!!やばい
というわけでフランケン三演、とうとう終わってしまいましたね……
私はまだぜんぜん実感がなくて、また来月あたりに飛べば見られるんじゃないか?みたいな気持ちなんですけど、終わっちゃったんですよね。7月からほぼ毎月見てきたので本当に不思議な感じです。
あまりに実感がなくて、まだロスらしいロスにもなってません。現在進行形で毎日フランケンのことばかり考えている……この調子で2019年を乗り切りたい。
それでもこれから日に日に記憶が薄れていくと思うと怖くて仕方ないので、書けるだけ書き残しておきたいところ。でも殴り書きのメモがすごい量溜まっていて収拾つかず(笑)
さすがに一公演ずつは整理しきれないので、ひとまずドンチサペアマクだけでもまとめておきます。

 



11/28、12/6と二週連続で見て。
三ヶ月ぶりのドンチサはやっぱり素晴らしくて、大好きすぎて……
待ち続け焦がれ続けて、膨れに膨れた期待をさらに上回る素晴らしい公演でした!!
久しぶりのペアでお互い新鮮だったのか、お二人とも楽しんで演っていらっしゃるのがひしひし伝わってきた11/28。
三演ドンチサの集大成たる12/6。
2公演とも本当に素晴らしくて、今このタイミングでフランケンシュタインという作品に出会えたことに心から感謝しました。

生きててよかった………………

釜山に来てから、ドンビクがちょっとだけ人間らしくなった気がして、その分アンリとの関係がより一層わかりやすくエモくなったように感じました。
8/17のときはあんなに冷徹だったのに!w
チサンアンリは逆に、ソウル公演終盤の激しく爆発するような渇望から一歩引いて、自分の感情を必死に抑えるようなディテールが増えたように思います。
なので、表に見えてくるビクター⇔アンリの矢印の力関係が少し変わった感じ。

とにもかくにも、12/6がすごすぎてですね。
脳内会議満場一致でぷらんけん三演のベスト公演になりました。伝説として語り継いでいきたい公演でした。なので、幕間と終演後に周年で書き残したメモを全部文章に起こしておきます。
我ながら驚異的な文章量です。8月のドンチサブログを超えるものはもう書かないと思ってたのに。

前置きはこれぐらいにしてレポ始めますー。
台詞や歌詞はハングル和訳ひらがなごちゃまぜです。自動翻訳様様。(勉強しろ)




【1幕】


●怪物誕生

「일어나...」雷鳴を背にゆっくりとアンリの頬を撫でるビクター。ドンチサの場合はしっかりと頬を撫でて、じっとその顔を見つめます。ドンミンの場合首の傷を撫でるので、ドンビクがあえて相手に合わせて変えている部分。ドンビクのこういう細かいところがほんっとに好きです。回転ドアしがいがある!!
「제발,일어나...!!」は懇願するような悲痛な響きで。
・なにかの影を振り払うようにしながら上手にハケる。
・目覚めたけむるは研究所をきょろきょろと見回す。まるで自分を産んだ親を探しているみたいだな、とここにきて初めてそんな感想を抱きました。

●워터루(ウォータールー)

・中尉に突き飛ばされて膝をついたあと、つきつけられた銃に自ら一歩近づくアンリ
・アンリを見つけた喜びでニッコニコのビクター。笑いが抑えきれないというような
「そのような非人道的な研究には参加したくありません」ビクターと中尉の話が落ち着かないうちに食い気味で反論。「ではこのまま死ぬか?」と銃をちらつかせられて初めてビクターから目を逸らし伏せる

●단 하나의 미래(ただ一つの未来)

「いかなる名分でも決して~」アンリが言い始めるのにほぼ同時に合わせてかぶせ。
「ねが?ねが?……ははは、アンリ・デュプレ!」のあと叩かれた左腕をさするアンリ。本当にここのドンビクが好きなんですよ……ぐっと顔を近づけてにたあっと笑って猫なで声で圧倒するの……
・曲通して全体的に食って掛かる圧が強めだったこの日のチサンアンリ。呆れたような表情もよく見せてた
「실패한 진화의 결말(誤った進化の結末)」のあと、ビクターがばっと手を広げたところでちょっと怯むアンリ→「새로운 구원자야(新たな救世主だ)」で違う、と首を振る
「과학은 생태계를 유지할 뿐(科学は生態系を維持するだけ)」下手寄りから訴える。ちょうどビクターの影から逃れる位置に逃げたみたいになっていたことに後から気づきました(なにせ最前で見てたのでこの日はビクターの影を見ることができなかったんですよ……贅沢な悩みw)この瞬間だけは二階から見たかった!!
「야망일 뿐!(野望にすぎない)」ビクターの煽り拍手がいつもよりペース早め。いつもは拍子に合わせて拍手することが多いけど、この日はリズムは無視してぱちぱちしてました。(ここも大好き)
「대위님은 무신론자입니까?(大尉殿は無神論者なのですか?)」「아니, 신을 믿어, 지독하게.(いや神は信じている、とても)」食い気味に反論するビクター。神への反逆心が強い……
「진화가 끝난 인류의 선택(進化を終えた人類の選択)」死体たちに囲まれ、はっとした顔をするアンリ
「단 하나의 미래는 바로 이것 뿐(ただひとつの未来はまさにこれのみ)」アンリ頷く。ビクターと完全に共鳴してしまった瞬間ですね……
「생명의 주체가 된다(生命の主体になる)」二人で手広げ
・曲終わり、握手で二人ともにこにこ。歌の内容に似つかわしくないくらいめちゃくちゃいきいきと笑顔を浮かべている二人。
・ビクターが将軍に呼ばれていったあと、下のようすを覗きがてら手すりをぽんと叩いてから階段を降りていくアンリ。これ、毎回やってたんだよなあチサンアンリ……どういう心境と受け取るべきなんでしょうか。やる気に満ち満ちてる感じなのはわかるんですけど。
「伯爵の右手が必要だと」ビクターが理解したのと同じタイミングでアンリもはっと気づいて笑みを浮かべる。自分の能力を平和のために活かす場が与えられたことを瞬時に理解したんですよね。アンリがビクターの隣に並ぶに能う人間だっていうのがよくわかる瞬間。
「質問ですか、命令ですか」しっかりと目を見て返す
「ぷったぎや、ちんぐ」頬撫で。笑って目を伏せ、照れくさそうに顎を掻くアンリ。噛みしめるような微笑み。本当に嬉しそうで幸せそうで……

●하지만 넌(けれど君は)

・はー……とため息をつきながら天を仰いで歌い出し、ふわふわした足取りで上手へ。胸に拳を当てて足を止めたり。完全に恋に落ちちゃった瞬間。
・最後は花火を見上げて笑い、小さく何度も頷きながらハケ

●평화의 시대(平和の時代)

・場の空気がどんどん冷たくなっていく中、唇噛み締めながらビクターを目で追うアンリ(かわいい)
「てだに……」でルンゲに連れ出されるとき、やたら抵抗して諦めが悪いアンリ(かわいい)

●외로운 소년의 이야기(孤独な少年の物語)

「ビクターは私にとって友達以上です」にっこり笑って一歩エレンに近づくアンリ
「ビクターの夢……」胸をおさえてうっとりと目を閉じる
「またお会いしましょう」照れくさそうに鼻スンってして顎を掻いて足早に去る

●한잔의 술에 인생을 담아(一杯の酒に人生を込めて)

とにかくいろいろありすぎwwwさいっこーーーのはんじゃんするでした!
「くま!くま!くま!!」釜山公演のチサンアンリ、このシーンで出てくるタイミングが全体的に早かったです。ビクターが袋叩きにされる前に助けに入っちゃうの、めっちゃ必死でかわいい。そして倒れてるビクターに覆い被さるみたいにして「あんで、あんで……!」って盾になろうとするのもかわいい。とにかくかわいい。
「ちゃっかんまん、あんじょ、あんじょ……」
「私が払います」ドヤ→大男の拍手のあと、冷や汗ぬぐいながら笑う
「ルンゲが言ったのか?私はここだと」ここでようやく笑うビクター、「君がこんなに酔ったところは初めて見たよ」勘弁してくれと安堵の笑みをこぼすアンリ
「こんなに諦めが早いとは思わなかったよ~~」「洞察力だ、正確な診断~~~」と呂律の回らない酔っ払いのおふざけ合戦wまだシラフなのに一緒にふざけてあげるチサンアンリかわいい。ドンチサの酒場は兄弟っぽいって思ってたんですけど、釜山のドンチサはなんか駄々っ子とママ感強かったですね。保護者チサンアンリ。
・からの「どうやって新鮮な首を手に入れる?」ではっと空気が止まる。「殺人でもするしかないだろう」シーンとした空気の中、変な笑い声と共に「さりん。……ちんぐや、かじゃ~、びくたぁ;;;」と冷や汗かいてるチサンアンリ、かわいそうでかわいい。(語彙)
・ビクターが膝についた左手に手を重ねて「자...한잔 하겠나?(じゃあ、一杯やるか?)」そのあとドンビクがなんか言ってたんですけど何言ってんだかよくわからなかった。ふふって笑いながら、いいだろう、みたいな感じだった。手を重ねるのめっちゃいい……
・一杯には懸念をパラパラ落とし、一杯には心配を指パッチンで込めるビクター。飲め飲め~とアンリがクルクル指回すのを見て自分も一緒に指くるくるしたり。
・そして一気に煽り、あ゛ぁ~と息をついて歌い出すビクターさん。そんな麗しいお姿で仕事終わりのおっさんみたいなwwwて笑ってしまいました
「오늘 밤엔 취해볼까~~~~~나~~~~~!(今夜は酔ってみようか)」頭ふりふりロングトーン長い!ペアマクということでお二人とも気合い入ってましたw
・笑いながら他の人たちとワイワイ杯を交わすビクター。この日はあんまりアンリの話聞いてないし見てもいなかった。酒をひたすら煽ったり空になった~ってコップを逆さにしてアピールしたり。構ってちゃん。
「난 부모도 형제도 없지만(僕には親も兄弟もいないが)」でやっとちゃんとアンリを見る。「단 하나 친구가 있다네 뭐가 더 필요해(ただ一人の友達がいる、それ以上何が必要だろうか)」から真剣な顔でじっと見つめ合い
「よろぶん、ねちんぐびくたーるるうぃへそりじろ~!」のあとなんかもっかい言ってビクター爆笑、ドンソクさん素で笑ってる感じにw
「ちんぐよ」ビクターも笑顔で見上げる
・この日めっちゃダンスがんばってたドンビクwww気合いで骨盤ダンス張り合い(張り合えてない)(かわいい)そしてアンリのお腹ぽこぽこ叩くビクター、やりたい放題か!(かわいい)
「ちん!ぐ!」で跪かれて神妙&気合いな顔するビクター。釜山公演ドンビク初日?にはダンスしくじったらしいとか聞きましたがこの日はちゃんと踊れてましたwノリノリ余裕綽々のチサンアンリとの対比も含めてめっちゃかわいいんですよね……盲目。
・ダンス終わりテーブル上がるとき、アンリが踏み台にした椅子が倒れてバランス崩しかけるアクシデントも。しかしむしろテンションは上がっていく一方というw
・歌い終わり両手広げたポーズのまま左手で拍手煽るチサンさん。歓声でそれに気づいたドンソク氏、チサンさんにこら~ってどつきに行きそのままハグ(笑)完全に素でキャッキャしてたお二人、かわいすぎました!!
・ルンゲ ビクター アンリ の順で並んで「おっとけ!!」→ビクアン肩を掴み合って見合い、いつもより長く間をはかりながら「ちゃぎさ!!!!」歌終わりにひと騒ぎしたからちょっといつもと間が違って、お二人ともタイミングはかりかねてる感じでした。またそれもペアマクらしくて良いw
・ルンゲ「質問ですか、命令ですか」
・フォー!と叫んで両手開いてテーブル飛び超えて去っていくビクター。釜山来てからの酒場のドンビクのテンションがやたら高い。
・アンリ「質問ですか、命令ですか」
・アンリ「するもがいっちょっしょ~?」

●살인자(殺人者)

「すべて私がやりました」自白を始めるまでは目は伏せ気味で泳ぎ、自白しているときは毅然と正面を見据えるアンリ。しかしウォルター母の声を聞いて再び動揺を露わにする。このとき既に捨てられた子犬感がすごくて……つらいシーンなのにかわいくて……つら……
・連れていかれながらまわりをきょろきょろ見回すアンリ。ビクターを探していたのかな。なんて。
「一人になりたい」ドンビクの場合、自分と一緒にいるとみんな呪われてしまう。⇒大切な人達を自分から遠ざけなければ、という気持ちから出てきた台詞がこれなのだと思います。アンリも結局自分の呪いに巻き込んでしまったと思っている。けれどそんな胸の内を知らない家族は、どうしてそんな態度なの!ってキレちゃいますよね、そりゃ。ドンビク、不器用すぎるんですよ……
「恐れてなどいない」ソウルでは弱々しく零す日もありましたが、この日はそこまでではなく、ただ茫然としたまま否定したという感じでした。
「アンリの首が必要なの?」「何を言うんだ」驚きというよりは怒り。実はずっとその選択肢が頭の中にあったんじゃないかなあと思うんですよ。そう解釈するとなぬんうぇにうまく繋がるような気がする。
・エレンが去ったあと、手を伸ばそうとしてぐっと耐えるビクター。
・ジュリア抱き締めながら辛そうに顔ぎゅってする。すがりたいのを必死に抑えてジュリアを引き離す
・本当は離れたくなんてなくて、誰かにすがりたくてしょうがないんですよね、このときのドンビクは。でもそうすることによってまた他の誰かが呪われてしまうことを恐れている。そういう解釈で見ていました。

●나는 왜(私はなぜ)

「왜ーーーーー!!!」机叩くのも強く、怒りをぶつけるように。
「난 대체 왜...(私は一体なぜ)」額に左手をあてて静かに笑う。理性でおさえつけていた狂気が漏れ出るような
「역겨워 참을 수 없어 변명도 지쳤어(我慢できない 言い訳も疲れた)」ぐずりながらへたりこむ。この時点で呂律が怪しい。
「나는 왜 돌이키지 못 할까(私はなぜ顧みることができないのか)」で床を叩いて立ち上がる
「한발짝도 벗어날수 없는걸까(一歩も逃げることができないのか)」両手をこう……頭の横に上げてぐっと力を入れて、なんていうんだろう……うまく表現できないですがなんかそういう身ぶりをしていました。葛藤が強く見えてすごくよかった。
「위대한 이상에...(偉大な理想に)」低く深く囁きかけながらゆっくりと下がり、鏡から距離をとる。
「거울속에 널(鏡の中のお前を)」じっと鏡を睨み付けて歌い出し、一気に近づいて鏡を投げ割る。釜山では人間らしさが増したぶん、その中にある狂気もより強くなってたのかも。ビクター自身が持つ二面性の争いが強くなったというか、狂気と理性が交互に渦巻いて戦っているのがより激しく表現されていたように思います。

●살인자 reprise(殺人者 rep)

・自白しようとするビクターを見て震えながら首を振るジュリア。そんな娘を見てたまらず挙手するステファン
・ステファンのでたらめな弁明に明確に怒りを顕にするビクター
・安堵で手すりに手をついたあと、アンリを見てまた震えるジュリア
・ステファンに無言で首を振って何も言えないジュリア。アンリへの死刑宣告を聞き十字を切る。
・この時点でステファンは真相を知らないんですよね。ビクターのことはよく思っていないけれど、それでも娘の想い人で、義理の息子なのだから、と必死に守ろうとしたが故の発言。本当にビクターの周りの人たちは誰も悪くないんですよ……シハジュリアのときはその報われなさが一層際立つ気がします。
「殺したのはアンリ・デュプレではなく、私ビクター・フランケンシュタインです!」までは強く叫び、それ以降の訴えはどんどん弱々しい涙声になっていきほとんど聞き取れず。ここでこんなに弱さを露呈するのも珍しかったような。ほんとに二幕後半からずっとぼろぼろだったドンビク……

●너의 꿈 속에서(君の夢の中で)

・自白しようとして連れていれたビクターのことは一瞥もしなかったアンリ。たぶん、目が合ったらすがりついてしまいたくなるってわかっていたからじゃないかなあと思うんですよ。最初に嘘の自白をしたときにはビクターを探していたのに、いざ本人がやってきたら目を合わせるのが怖くなってしまった、という。
・アンリ自身も葛藤の激流の中にいるから、自分を保つのに必死なんですよね。面会でビクターに呼びかけられて「来たのか」と返すときの声がひどく疲れきっていて。ビクターに弱いところを見せてはいけないから、本当に必死に虚勢を張ろうとしているんです。
「運命の日が来たんだ」で振り返り、ここでやっと目が合う二人。
「それで君が死ぬことになったら?僕が選択したんだ、後悔はない」そこまで強い語調ではなく。絞り出すようにして言い、少しだけ語尾が震える。
「왜 니가 "나같은 놈 때문에" 죽는건데 왜!!!(なぜ君が"私のような奴の為に"死ぬんだ、何故!!!)」
この日と、ドンミンマッコンのときだけのアドリブ。たぶんソウル公演の頃のドンビクなら絶対言わない表現だったと思う。釜山のドンビクが人間っぽいって思ったのはこういうところだなと思います。人としての弱さが強く滲み出てきたというか。
「니가 살아야 우리 연구를 계속할 수 있잖아!(君が生きてこそ僕たちの研究を続けることができるんじゃないか!)아냐?(そうだろ?)그러니까...넌 나 대신 살아.(だから……君は僕の代わりに生きてくれ)」
強く叫んでいるわけでもなく、むしろようやく絞り出したような囁きだけで、逆上しかけたビクターを黙らせる台詞の説得力たるや……。
この「あにや……」、ほとんど独り言みたいにぽつりと囁いたんです。チサンアンリのこの台詞は、ビクターに向けてだけではなく、恐怖や弱さを抱えた自分自身にも言い聞かせるために話しているんだなというのがひしひしと伝わってきました。
・息を吐きながら笑い、両手をビクターへ向けて伸ばして「...친구야.(友よ)」ここの表現も日によって違うんですが、この日のチサンアンリはきちんと笑えていて、声も穏やかな響きでした。ビクターを勇気づけるための最期の笑顔。
・チサンアンリの切実な訴えに、「アンリ……」という返しの台詞すら出てこなかったドンビク(ここの呼びかけはどのビクターもあったので台本にある台詞だと思う。ドンビクもこの回以外では毎回言ってたはずなので)。美しいイントロだけが流れる中、言葉も交わさずにただ見つめ合う二人。本当にたった二人だけの空間なんだ、という風に感じられて、ものすごく引き込まれました。
「너 처음 만났을때 그 때 생각난다.너 기억나니?(君に初めて会った時、その時を思い出すよ。君は覚えてる?)」あえてなんでもないような強い語調で。それでも語尾が震えていて、客席に向けられた背中からひしひしとアンリの必死な思いが伝わってくる……
この「客席をほとんど向かない」チサンアンリののえくめが本当に好きで。大劇場では、「お客さんがわかりやすいように」演出として、会話しながらも表情が見やすいように体の向きを正面に向けたりとか身振り手振りを入れたりっていう定型的な表現が必要とされるものですが、チサンアンリののえくめはそういう定型的な表現に頼らずにひたすらビクターだけを見て語りかけるんですよね。なので、絵としては情報量がかなり抑制されている。それなのに溢れるほどの思いが背中から伝わってくる……チサンアンリだからこそできるお芝居……うう、本当に大好き……
「가슴이 두근거려(胸がどきどきする)」震えながらの歌い出し
「강렬하게 사로잡는(強烈に魅きつける)」で拳をぐっと握り、「너의 생각 너의 신념 너의 의지(君の考え、君の信念、君の意志)」で一歩ずつ後退り「그 속에 넌...(その中で君は)」両手をビクターに伸ばして、「君は」と語りかける。
じりじりとビクターから離れようとするアンリの姿、すがりついてしまいたいのを必死に抑えているんだなというのがものすごく伝わってきました。チサンさんの愛情表現、幅が広すぎるんですよー!!そして毎回毎回心を打たれる……
ソウル公演終盤や釜山マッコンでやっていた「しゃがんで、立ち尽くすビクターを見上げて、祈りを捧げるみたいに語り掛ける」のも好きだったのですが、このあえて距離を取るのもめちゃくちゃ好きです。どちらがより好み?と言われたら8/17のディテールが一番好みですけども!
毎回違う趣を与えてくださるドンチサ。見るたびに新鮮なのがいいんです。最高……
・アンリを見つめたまま呆然と立ち尽くすビクター。酒場のシーンといい、このあとといい、なんだかこの回は言葉を交わさずに見つめ合うところが多かったような気がします。
「이제것 나 살았던 인생들~(今まで僕が生きた人生の)」出会いの頃を思い出しながら夢心地で歌うアンリ
「왜...」で柵にすがりつき、ゆっくりと膝をつくビクター。「어쩌면 우리 처음 만난 날(もしかしたら僕たちが初めて会った日)」で振り返り、崩れ落ちたビクターを励ますように思わず駆け寄るアンリ。「그 날에 정해졌던 운명(あの日に定められた運命)」違う、と首を振るビクターに、「이제야 알게 되었을 뿐(今分かるようになったというだけ)」でしゃがんで身を屈め、顔を伏せようとするビクターを下から覗き込んで言い聞かせて、「지금」でもう一歩にじり寄る。
・ビクターから手を伸ばして手を握り合い(この時点でぐしゃぐしゃに泣いてるドンビク)「날 위해 울지마 이것만 약속해(僕のために泣くな、これだけは約束してくれ)」しっかりと互いの目を見つめ手を何度も強く握り返す
「함께 꿈꿀 수 있다면(一緒に夢見ることができるなら)」からもう少し近づいておでここつん
「죽는대도(死んでも)」でビクターの嗚咽が漏れる。
これはメタなんですが、この曲の台詞がないところってビクター側のピンマイクはどうなってるんだろう。結構ぐしゃぐしゃに泣いてぜーはーしててもアンリの歌中は息の音とか入らないし、やっぱりオフにしてるんですかね。
だとしたら、ここでおでここつんした時にチサンアンリのマイクがドンビクの嗚咽を拾ってたってこともあるのかな……とか思って……いやそんなメッタメタなところで萌えてどうするのって話ですけど……音響詳しい方教えてください。
「괜찮아 행복해(大丈夫、幸せだ)」「大丈夫」と言って手を離し、「幸せだ」と言って背を向けるチサンアンリは釜山でも健在。本当に本当にずるい。
・離れていくアンリに手を伸ばすビクター。力なく床についた拳が切なくて……
「앙리 지금이라도 진실을 말해...(アンリ、今からでも真実を言え)」弱々しく泣きながら、抵抗する余裕すらなく連れていかれるビクター。「ビクターは痛くても泣かないのね」なんて言われていたのはいつのことだったか、立ち上がることすらままならないくらいに打ちひしがれた姿は完全に弱い人間そのもの。
そんなビクターが次に舞台上に現れるのが生命創造のシーンなんだからすごいですよね。人間としての弱さを露呈した直後、友の首と共に再び神へ挑もうとする。ビクターにとってはアンリの死が最後のスイッチだったんだなと。
・連れてかれたビクターを必死で追うように柵に駆け寄るチサンアンリ。大事な人が死に向かうときになってようやく「行かないで」とすがれるようになったビクターと、すがりついてしまいたいのを必死でこらえ、本当にお別れになった後で決壊するアンリ。この関係もまた対照的。
「모든걸 버리고(全てを捨てても)」で足を踏み外し階段で泣き崩れ、悔しさに手すりを殴る
「너의 그 꿈 속에 살 수 있다면(君のその夢の中で生きることができるなら)」突き飛ばされてギロチンの前にへたりこむアンリ。
・完全に尻をついて板に背を預けながら天を仰ぎ「나약했던 내 과거를~(弱かった自分の過去を~)」、そのあと背を丸めて「너의 꿈에(君の夢で)」
・間で泣き出しそうになり浅い呼吸
「살고 싶어(生きたい)」最後の最後でようやく立ち上がり、両手を強く振り下ろして天を仰ぐ。神に懇願するみたいに天を見上げるチサンアンリは、最後まで困り眉で、恐怖や未練も引きずったまま地獄へ持っていった感じなんですよね。ぜんぜん断ち切れてないの。
でも、だからこそ、北極で最後の最後にビクターのもとへ帰ってくるのがより染みるんですよ……

●위대한 생명창조의 역사가 시작된다(偉大なる生命創造の歴史が始まる)

・大切そうにアンリの頭を見つめ胸に抱えるビクター。この歌い出しの「来るぞ……」っていう高揚感は他の作品じゃそうそう味わえないやつですよね。その後の超絶技巧ビッグナンバーを知っているが故のゾクゾク感……
・雷鳴を聞き、ちらりと空を睨み付けて装置へ上がっていく。ドンビクにとってこの曲は神への挑戦そのもの。アンリと共に挑む神との戦い。
・実験日誌をコートに仕舞ったあと、腕を組んでしばらくじっと立っているビクター。考え込むような、神経を研ぎ澄ませているような。
「생명은 어차피(生命はどうせ偶然の産物)」鉄のベッドの上に立ち、天の神を指差してからその指を下に降ろす(わたしはここを勝手に神降ろしと呼んでいます)。降りてこい、ここでお前を超える私を見ていろ、と言うような。明確に神と同じ土俵に立って戦いを挑もうとしている……
「이제 눈을 떠(さあ目を開けろ)」低いがなり声での命令。手を広げるでもなく、ただ普通に立ってアンリを見上げて命ずるのがより一層狂気と集中を感じて良い。
「신과 맞서!!!!! 싸~워~~~!!!」「시~~~대~~~~~ㅐ!!!」高音絶叫あり!マッコン間近限定シャウト……これをドンチサマッコンで聞けたことがなによりの幸せです!!
「눈을 떠...제발,제발,제발,제발,깨어나ㅏㅏㅏㅏ!!!」立て続けにちぇばる4回言ってからの怒りを叩きつけるような叫び。ここの迫力と狂いっぷりも本当にすごかった。この日のドンビクはとにかく生き返らせるのに必死だった感じ。
・歌い終わり、宙を見つめたままレバーを戻すビクター。装置を止めてもまだ狂気の余韻の中で揺蕩っているドンビク、好き……。
・階段降りるとき一瞬足を止める。これチョンマクでもやっていたんだけど、どういう心境だったのか……まだ考えなきゃいけないことはいっぱいありますね。

●怪物誕生

「나야 빅터...알아보겠어? 그래, 일어나......」床にへたりこんだけむるに目線を合わせ優しく息だけで囁く。ゆらりと立ち上がってけむるが立ち上がるのをじっと無表情で見守る。声の優しさに対して感情が抜け落ちた顔をしているのが怖い。狂気の真っ只中。
・「しー……」唸るけむるをなだめて抱き締める。時折ぎゅっと目を閉じたりして体の震えを抑えるようにしながらけむるの体をさする。
「生命の創造だ……」低いがなり笑い。釜山来てからというもの、ドンビクの笑い方がより一層邪悪になったなと。♪生命創造ラストの「눈을 떠라 일어나라」のとこのがなりみたいな感じで笑うことが増えた。後々の「神になろうとして悪魔になってしまった」がとてもしっくりくる感じに。

●또 다시(また再び)

・邪悪な笑い声から一転、弱々しく嗚咽しながらの歌い出し。ルンゲを喪ったことと、アンリを生き返らせられなかったことへの絶望に飲み込まれ、呆然とへたりこむ。
・ドンビクにとってこの実験は「神に立ち向かい、呪いを断ち切る」ためのものだったんですよね。だから結局さらに大切な人を喪ってしまった結果は失敗にすぎない。たとえ生命創造に成功していたとしても。
・手に取った鎖を見つめ、ふらふらとけむるへ向かい、泣きながらけむるの首に鎖をかける。「제발!!!」と叫びながら鎖をすごい勢いで引っ張るんですけど、ここの「殺してやる!!!」っていう感情の爆発力は3ビクの中でドンビクが一番強いんですよね。容赦なく引きずり回すもんだからけむる役の役者さん方がちょっと心配になるくらいで……wそういう振り切ったところが大好きなんですけど。
・もみ合ったあと、鎖から抜け出して立ち上がったけむるとビクターの目が合って。数秒だけ時間が止まったみたいに互いを見つめたんです。
けむるは自らを生み出した挙げ句殺そうとした創造主を、ビクターはアンリではなくなってしまった怪物を。それぞれの姿をはっきりと自分の瞳に映して、記憶に刻んだ瞬間。このあとの話の流れがわかっているからこそ、ぞくりとしました。すごく美しい一瞬だった……
「아냐...안돼ーーーーー!!!!!」
のえくめの「아냐...」があってからの、ここで「아냐...」返しははずるすぎる;;;
同じ言葉に込められた意味が真逆なのが本当につらい。これどういう風に訳すのが正解なんでしょう。ニュアンスはわかるんですが、ちょっと正しい意訳が思い浮かばないです。
ほんとにしんどい……ドンチサ、こういうネタの応酬(情緒のない表現になってしまった)みたいなことをどんどん盛り込んでくるので、伏線回収大好きオタクは見るたびグズグズになってしまう……好き……

もう一幕だけですっごい濃度で、幕間は放心しそうになりながら必死でメモとってました。本当はぼーっと余韻に浸っていたかった。
二幕でさらにえげつない爆弾が落とされるとは知らずに……

というわけで、一旦ここまでで分割します。二幕はあとで書き足しますのでもう少々お待ちください。

こんな長くなるはずでは。。。。。